Genvid の配信セッション

Genvid のテクノロジーは、一般的なゲーム配信ソフトウェアではありません。個人のストリームを配信したいプレイヤーに特化したものではなく、グローバルな配信を行いたいゲーム開発者にその機会を与えるものです。このため、配信セッションで従来一般的であった前提や、セッションの実行方法は、必然的に変わってきます。

配信セッションは、基本的には、ゲームを直接 TV 番組にしたようなものです。この番組は、サーバーを開始した時に始まります。1 試合だけの配信もあれば、チャンピオンシップ全体の配信もあります。つまり、ゲームが終わっても、配信セッションが終了することはありません。セッションを終了して他のモードに移行するには、Genvid のサービスに通知する必要があります。

したがって、一般的な Genvid 配信の流れは以下のようになります。

Broadcast Session

図 2 配信セッション

この配信セッションは、ストリーミングで行われます。このタイプのセッションを実施するには、まず 監視サーバー をセットアップする必要があります。開発で使用する ローカル環境 で命令を実行し、さまざまなサービスを起動して制作環境をエミュレートできます。その後は、実施する配信セッションに必要な設定情報を提供する必要があります。詳細は ストリーミングサービス および ローカル環境 セクションを参照してください。

セッションを配信する前に、各種のサービスを開始する必要があります。SDK の本バージョンでは、セッションの開始時にすべてのサービスを開始します。将来のバージョンでは、リソースの効率アップおよび柔軟性向上のため、サービスをオンデマンドで開始するように変更する可能性もあります。配信セッションを可能にするために開始するサービスについては、 Genvid サービス セクションを参照してください。これらのサービスを開始したのち、ゲームおよび関連 Web サーバーを起動し、Genvid ストリームを扱えるようになります。

Genvid サービスは、操作者および視聴者に最適な体験を提供するため、自動化された環境を想定して設計されています。すなわち、接続切れが発生した場合も配信セッションを中断せず、サービスはセッションへの再接続を試行します。これは、仕様に基づく動作です。サービスが停止した場合、監視サーバーが再起動を試行します。そして、ゲームがクラッシュした場合の動作は、開発者が決定しておく必要があります。ゲームの実況だけでなく、その配信に意味があるのですから、ストリーミングを停止するような事態は避けたいはずです。本ガイドのサンプルでは、ストリーミングを中断しない構成としました。ゲームがクラッシュから復帰した際、ストリーミングはそのまま続きます。これ以外の仕様とする場合の実装は、今後のバージョンにて紹介します。