12月 2, 2021

プレイヤーと視聴者を深宇宙の彼方へといざなう、Impeller Studios のチームコンバットシム


ジョージア州サバンナに拠点を置き、優秀なチームを擁する新進のゲーム開発会社Impeller Studiosは、7年ほど前から究極のハードコア・チームベース宇宙戦争ゲームを密かに開発してきました。 2020年後半に早期アクセスを予定している「In The Black」は、「X-Wings」シリーズのスピリットを引き継ぐ後継作品であると同時に、「World of Warships」や「War Thunder」からもインスピレーションを受けています。

本作はマルチプレイヤー主体のゲームですが、シングルプレイヤーモードも用意されています。 プレイヤーは惑星間の雇われ者として、近未来的なフリゲートや戦闘機、偵察機などの宇宙船を設計、装備、操縦します。 ミッションは、NPCである巨大企業からの「契約」であり、競合他社に損害を与えたり、失われた素材や製品を回収するなどの目的で遂行されます。

Unreal 4エンジンを使用して開発された「In The Black」では、3人以上10人以下(増える可能性あり)のプレイヤーからなるチームによって深宇宙で戦いが繰り広げられます。 このゲームの特徴は、リアルさを出すことに徹底的にこだわっていることです。 本作では非常に洗練されたコンポーネント・ダメージ・システムとニュートン物理学が用いられ、Impeller Studiosのチームは軍事機器や兵器の設計を200年後の未来に設定し、あらゆる要素を正真正銘の科学に基づかせています。

ImpellerのゲームディレクターであるJack Mamais氏は、「スペースシューティングゲームにニュートン物理学を適用したのは、我々が初めてではありません」と認めています。 そして次のように述べています。「しかし、通常であれば現実世界の物理特性は、前後・上下・左右の船体のコントロールなどに限定的に適用されるにとどまります。ですが本作では、素材の物理特性や船体の摩擦から、兵器の配備時に発生する熱量、さらには生命維持装置に至るまで、あらゆる形でニュートン物理学が適用されています」

In The Black」のもう一つの特徴は、Genvid SDKを使用してライブストリーミング機能を強化していることです。これにより、ストリーミング視聴者は、さまざまな斬新な方法で力添えしたり参加しながらゲームの展開を楽しむことができます。 視聴者はプレイヤーを応援することが可能で、プレイヤーはそれをゲーム内で見ることができます。また、プレイヤーやチームに賭け金をかけたり、懸賞金を設定することで、プレイヤーの戦術面に影響を与えることもできます。 さらに特筆すべきは、こうした機能すべてがゲームをインストールすることなく利用できる点です。

In The Black」のデザインと開発の最初の5年間、Impellerチームはこのようなライブストリーム・インタラクションを導入することは考えていませんでしたが、Genvidのユニークな技術を知って、ゲームの一部に登用すべきだと考えました。

Impellerの創業者兼CEOであるEdmar Mendizabal氏はこう話しています。「昨年のモントリオール国際ゲームサミットで偶然Genvidのブースを見つけ、ゲーム開発にどんな影響を与えることになるのか、すぐに興味を持ちました。 通常、ゲームデザインはプレイヤーに焦点を当てるものですが、そこには、視聴者をかつてないほど深く没入させ惹きつけるための、完全に出来上がった状態の、すぐに援用できるソリューションがありました。 統合のしやすさ、そしてすべての主要なゲームエンジンと主要ストリーミング・プラットフォームへの対応は本当に驚くべきもので、私はブースを出る前から、これは「In The Black」に使われるべきものだと確信していました」

Impellerのチームも、ストリーミングの爆発的な普及は活用されるべきだと以前から信じていました。 EdmarとJackをはじめとするチームは、 「In The Black」がその奥深さと複雑さからeSportsには向いていないと考えていますが、プレイヤーの没入感とゲーム世界の物語性を維持しつつ視聴者をゲーム世界に近づけるためには、eSportsタイトルのようなインタラクティブなライブストリーミング機能を実装することが最善の方法だと考えています。

「Genvidの技術が『CS:GO』に採用されているのを見て、私たちにぴったりのアプローチだと思いました」とEdmarは説明します。「プレイヤーが銀河系企業のために働く雇われ者であるというストーリーに、視聴者を没頭させることは理にかなっています。プレイヤーがミッション達成に向けて頑張っているところに、視聴者が懸賞金をかけたり、賭けをしたりすることは、ゲームの世界で自然に起こることだと思いました。さらに、プレイヤーがプレイヤーに懸賞金をかけられるようにすれば、視聴者とプレイヤーをより強く結びつけられます。つまりそうなると、プレイヤーやチームは最大の報酬を得ようと、それに合わせて敵の船や基地の優先順位を変えることになるわけです。また、視聴者が賭けたり懸賞金をかけたり、『自分の』チームを応援したりする際に追加の統計情報を呼び出せるようにすることで、没入感を高め、視聴者とプレイヤーのつながりをさらに深めています」

Impellerは、こうした斬新なデザイン要素に対するプレイヤーや視聴者の反応を楽しみにしており、それに応じてゲームを修正する用意があります。 「プレイヤーや視聴者が望むのであれば、ライブストリーミングの視聴者がゲーム内のアクションに影響を与える方法を追加するかもしれません。 もしかしたら視聴者が企業の一員となって、方針を決定したり、プレイヤーにミッションを与えたりなどということも考えられるかもしれません」とJackは述べています。

シニア・プログラマーのAndy Simons氏は、Genvidのテクノロジーを使うことによって開発チームが節約できた時間とリソースを聞かれたとき、制作スケジュールに1年以上の余裕ができたと話しています。 「インタラクティブなライブストリーミングを最初からゲームに組み込むことはできませんでした。それをするとなると単純に、多くの主要チームメンバーが重要な仕事をできない状態になってしまいますからね。 とはいえ、機能の導入には感激していますし、チームは楽しみながらこのテクノロジーの統合作業にあたっています。プレイヤーや視聴者がこれまでに経験したことのない方法でイノベーションを起こすのは、とてもエキサイティングなことですね」