12月 1, 2020

Rival PeakのAPE(視聴者参加型イベント Audience Participation Events)


Pipeworks Studios の ゲームデザイナー II Greg Reinmuthとプリンシパル・エンジニア Joshua Lee 

史上初の大規模なインタラクティブ・ライブ・イベント(Massive Interactive Live Event – MILE)であるRival Peakは、リアリティ番組を見ている視聴者が、ストーリーの展開に直接参加できるユニークなコンテンツです。ひとり、又は集団としての視聴者が、大きくも小さくもRival Peakの色々な面に影響を及ぼすことができます。視聴者は、天候の選択からキャラクターが持つ課題の進捗の応援とその加速、次にすることの選択にいたるまで影響を与え、番組を観ながらリアルタイムでストーリーの筋書きやサイドストーリーを誘導してゆきます。このような視聴者が介入する部分を視聴者参加型イベント(Audience Participation Events)、APEと呼びます。

 

APEでは、視聴者からの入力は「タップ」と呼ばれるクリックの形を取ります。Rival Peakの世界が存在するテラリウム(箱庭)を外からトントンと叩くような感じでしょうか。このタップにより、助けた視聴者と助けられたAIキャラクターの両方がポイントを獲得します。このブログに詳細が書かれているように、Genvid Technologiesのインタラクティブ・ライブ配信技術によって、視聴者がライブ番組へ参加し番組のストーリーに影響することが可能になりました。

 

Rival Peakには、プロジェクト、アクション、ゴールの3種類のAPEがあります。

プロジェクトAPE:このタイプのAPEは危険な環境、謎解き、障害物などに関係し、通常それらは1日に1回のペースで解決もしくは進展するかのイベントに関わります。通常、これらはマップやエリアに特定のものであり、時間経過により目に見える変化があります。プロジェクトAPEは、ゴミの掃除などの小さな事からテントを張るなどの手の込んだ作業、また焚き火や橋を作るなどの高度な課題まで広範囲におよびます。どの場合も、視聴者はキャラクターやアイテム(または両方)をクリックして助けを差し伸べることができます。

焚き火を例に挙げると、Rival Peakの12人のAI住人は、毎日のセッション(毎日8時間のライブ配信)が終わる前に大きな火を焚いて夜を締めくくるというゴールを持っています。視聴者は「タップ」を送ることで、焚き火に参加しているキャラクターに報酬を与えることができます。

アクションAPE:アクションAPEはプロジェクトAPEと似ていますが、規模が小さく、キャラクター個人に特化したスケールのものです。主な違いのひとつは、視聴者のタップでアクションAPEを加速できる点です。プロジェクトAPEでは複数のキャラクター(だいたいは全員) が参加するものであるのに対し、アクションAPEはRival Peak の特定の住人ひとりが対象となります。アクションAPEには、本を読んだり、果物を拾ったり、石像などの複雑なオブジェクトを研究したりといったものが含まれ、視聴者がそれらのアクションを100%加速させることができます。対象になるのがひとりのAIキャラクターであるため、参加できる視聴者の数は減りますが(すべての視聴者が特定のタイミングで同時に 1 人のキャラクターをフォローしてることはないので)、必要なタップ数も少なくなります。

 

下記にあるアクションAPEの解説図で、視聴者の「タップ」によりどのようにアクションを加速できるかを紹介しています。アクション進行中、Authority(Rival Peak のメインの「頭脳」であり、すべてのアクション/反応/結果を最終的に決定する役割)が視聴者のアクションからスコアを集計し、APE Game Dataを介してスコアの増加を報告します。Viewer Client(視聴クライアント)は、割り当てられた時間の終了時にAction Completed(アクション完了通知)を受け取り、視聴者の入力受け付けを停止し、最終的なスコアをSimulation(シミュレーション)とViewer Data Service(視聴者データサービス)の両方に報告します。最終的なスコアはキャラクターの累積スコアに適用され、必要な処理を行なった後、Action(行動)は通常かかる時間よりもかなり速く完了します。

ゴール APE:ゴールAPEは、特定のAI キャラクターをフォローしている視聴者が、そのキャラクターが次に追求すべき目標(ゴール)に投票できるインスタンスです。Rival Peakに登場する12人のキャラクターはそれぞれのライブストリームチャンネルを持ち、視聴者は彼らをフォローしたり、他のキャラクターストリームに切り替えたりすることができます。時々(平均、分ごとに)、キャラクターが立ち止まったり、考え込んだりすると画面上にアイコンが表示されます。その時そのキャラクターのストリームをフォローしている視聴者は、与えられた1~ 2分の間に3つのゴール(キャラクターが持つ2つのゴールと、ランダムに選択された追加ゴールの1つ)の中からひとつを選ぶことができます。視聴者はAPEごとに1票を投票することができ、勝利した(最も獲得数の多い)ゴールに投じられた票にはボーナススコアが付与されます。

APEはRival Peakの中核となるもので、観客は番組のキャラクターを助けたり妨げたりするだけでなく、個人又はグループとして彼らを導いたり応援したりすることもできます。シーズンの進行に合わせ、視聴者の参加アクションやフィードバックに基づいて、初期APEへの微調整、修正、追加なども行っていく予定です。