12月 2, 2021

デモリッション ロボッツ K.K. プレイヤーの敵は視聴者:近日発売の4人対戦ロボット・アーケード・アクションゲーム


2016年のホラーアドベンチャーゲーム「Back in 1995」で成功を収めてからというもの、インディーゲームのヒットメーカー、一條貴彰氏は次のプロジェクトとして全く別のゲームを考えていました。 ニッチで、レトロなシングルプレイヤー・アドベンチャーゲームとは打って変わって、「デモリッション ロボッツ K.K.」(DRKK)は幅広い層をターゲットにした4人プレイヤーのアーケード・アクションゲームです。 本作はまた、インタラクティブ・ライブストリーミングを特徴とした史上初のマルチプレイヤーゲームでもあります。ここでは、ストリーミング視聴者は、ロボットが破壊しつつある街の市民を演じることになります。

開発3年目を迎えたDRKKは、2020年後半にSwitchとPCで発売される予定です。 Unityで制作された本作は、4人のプレイヤーが破壊ロボットとなって、街の建物を壊してゆくゲームです。 プレイヤーは、破壊した建物の数に応じてポイントを獲得しながら、各レベルをクリアしていきます。 Genvidのインタラクティブなライブストリーミング技術を活用したDRKKで、視聴者は攻撃を受けている建物の住民になり代わります。視聴者は実際のプレイヤーを応援したり、ロボットに罠を仕掛けるなどの手段で直接妨害することができます。

「『デモリッション ロボッツ K.K.』は『リモートコントロール ダンディ』や『ロボット錬金術ドライブ』のような巨大ロボット・アクションゲームからインスピレーションを受けた部分もあります」と一條氏は話しています。 一條氏は話しています。「ですが、そうしたゲームがロボット同士のバトルに焦点を当てているのに対し、本作では『ロボット対戦』で起こる『巻き添え被害』に焦点を当てたいと思いました。つまり、ロボットが戦うことで周辺環境は破壊されるわけです」。また、「機動警察パトレイバー」や「地球防衛企業ダイ・ガード」などのお気に入りのアニメ番組からもインスピレーションを受けたとのことです。 また、「機動警察パトレイバー」や「地球防衛企業ダイ・ガード」などのお気に入りのアニメ番組からもインスピレーションを受けたとのことです。

一條氏は2017年GDCの記事でGenvidについて知り、その技術について調べ始めました。 「ゲームというものはストリーマーやストリーミングの視聴者側からはどんなふうに受け止められ、楽しまれているのか、といういうことは以前から考えていました。インディー開発者として、ユーザー獲得の観点からすると、視聴者の興味をそそりエンゲージさせることが重要だということもわかっていました」と一條氏は振り返ります。 「そんなとき、視聴者の楽しみを増やし、認知度や新規プレイヤーの獲得に貢献するだけでなく、実際に視聴者がゲームのアクションに参加することで、プレイヤーにとっても視聴者にとってもゲームをより楽しくできる技術があると知ったわけです」


(画像1:ストリーミング内通貨で視聴者が罠を購入。画像2:ロボットを選んで罠を仕掛ける視聴者)

一條氏のスタジオ、Throw the Warped Code Outは、ほぼ1人で運営されています。 「ゲームデザインをはじめ、プログラミング、Genvid SDKのインテグレーションまですべて自分で行っています。 ロボットと街を作るのにパートタイムで2人のアーティストと、それからサウンドトラックの作曲家を雇いました。 私はHTML5の専門家ではないので、多少のサポートが必要でしたが、過去のUnityの経験があり、Unity Asset Storeからは無償で機能的なGenvidTankサンプルを使用できたので、インタラクティブ・ライブストリーミング・オーバーレイのインテグレーションは簡単でわかりやすいものでした」と一條氏は述べています。

DRKKに触れる人たちが、プレイヤー×視聴者のユニークなダイナミクスに対してどのような反応をみせるのか一條氏は楽しみにしています。ライブストリーミングの視聴者数に比例する形で、カオス的な要素を視聴者が効率的に増やしていってくれるでしょう。 ライブストリーミングの視聴者数に比例する形で、カオス的な要素を視聴者が効率的に増やしていってくれるでしょう。 「ゲームとインタラクティブ・ストリーミングは、コントローラーで直接プレイする人たちだけではなく、さまざまな層の人が楽しんでくれると思います」と一條氏は予想します。「ただ観るにせよ、見て応援するにせよ、もっと深く体験するにせよ、何をしようと視聴者は自由です。再訪を重ねる視聴者が、ともすればプレイヤーの間で有名になることだってあるかもしれません。親切な支援者としてか、やる気満々の妨害者としてかはわかりませんが」

さらに注目すべきは、今回初めて視聴者の一部について収益化が見込まれている点です。 一條氏は続けます。「DRKKでは、視聴者向けに無料で使える機能と有料の機能を用意しています。 視聴者は、ゲームやプレイヤーとさまざまな方法でインタラクションできるようになっています。そして『ストリーミング内通貨』を現実のお金で購入したり、あるいは獲得して、その通貨を、リアルタイムでゲームに影響を与えるアイテムや効果を購入するのに使うわけです」

DRKKの開発に何年も時間を費やしてきた一條氏は、ゲームの未来に貢献していると思えたことが大きなモチベーションになったと語っています。 「数年後には、インタラクティブ・ライブストリーミングはビデオゲームを次の段階へ進化させた、ということになっているかもしれませんよね。 インタラクティブなストリーミングをゲーム体験の基本要素として取り入れた最初の開発者の一人になれて、非常に光栄です」